2014/08/01

【研究紹介3】テストテロンを投与された男性は嘘をつかなくなる(PLoS One, 2012)

Abstract(ざっくり和訳)
 嘘をつくことは社会的、経済的に重要な意味をもつ一般的な現象である。嘘をつく普遍性や決定因にかなりの関心が集まっているにも関わらず、嘘をつく行為の生物学的な基盤に関してはほとんど研究されてこなかった。そこで、本研究では社会的行動に重要な役割を持つステロイドホルモンの一種であるテストステロンに着目し、ホルモンの潜在的な影響について検討した。二重盲検法に基づいて、91人の健康な男性(平均年齢24.32歳、SD = 2.73歳)のうち、46人は50mgのテストステロンを経皮投与され、45人は偽薬を投与された。その後、参加者は自己報告するサイコロの目の結果によって実験の報酬が決まる簡単な課題を行った。参加者は嘘が実験者にばれることない状況にあったため、不当に報酬を高くすることが可能だった。その結果、偽薬群と比較してテストテロンを投与された男性は嘘をつかないことが示された。具体的には両群の参加者は自己利益的な嘘をついていたが、テストテロンを投与された参加者の自己報告による報酬は有意に低くなっていた(1%水準)。本研究の結果は、向社会的行動とその基盤となるチャネルにおけるテストテロンの効果に関する最近の議論に寄与するものであった。

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●文献情報
Wibral. M., Dohmen, T., Klingmüller, D., Weber, B., & Falk, A. (2012). Testosterone Administration Reduces Lying in Men. PLoS One, 7(10), e46774.