2014/08/01

【研究紹介2】幼児初期の嘘(Developmental Psychology, 2013)

Abstract(ざっくり和訳)
 嘘をつくことは一般的な行動の一つである。これまでの実証研究では、3歳半(42か月)を超えると子どもは多様な社会的状況で嘘をつくことが可能になることが示唆されている。しかしながら、幼児初期の子どもが自発的に嘘をつくかどうかに関する実証研究は限られている。そこで、本研究では幼児初期の嘘に関する実験を行った。65人の2から3歳の子どもは実験者が指示をだした時から魅力的なおもちゃを見ないように依頼された。その結果、子どものほとんど(80%)が約束を破り、おもちゃを見ていた。実験者におもちゃを見たかどうかを尋ねられたとき、おもちゃを見ていたほとんどの2歳児は正直におもちゃを見たことを報告した。その一方で、年齢が大きくなるにつれて、おもちゃを見ていた子供は、おもちゃを見ていないと報告した(つまり、嘘をついていた)。しかし、子供たちがついた最初の嘘を見抜かれないようにするための能力を評価する事後質問を行うと、ほとんどの子どもがおもちゃの特徴を正直に回答してしまい、嘘をつき続けることができなかった。さらに、年齢を統制したとしても、子どもの実行機能は幼児の嘘をつく傾向を予測していた。これらの知見は幼児初期において子どもが嘘をつき始めることを示唆している。

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