2014/08/01

【研究紹介1】オウチョウは他の鳥の警戒声を鳴き真似してだます(Science, 2014)

Abstract(ざっくり和訳)
 自然界において欺瞞の利用は一般的である。ただし、しょっちゅう欺瞞にさらされている場合、欺瞞の受け手は欺瞞メッセージを弁別し、最終的には無視するようになる。しかしながら、欺瞞メッセージを柔軟に変化させると、そのような制約を回避できることが明らかになった。2つの尾羽を持つオウチョウ(Dicrurus adsimilis)は、他の種に恐怖を喚起させる嘘の警戒声を使用することでその場から逃避させ、食料を盗む。本研究では、オウチョウが対象となる種の警戒声を模倣することを示した。また、対象となる種は警戒声に繰り返しさらされたときに警戒反応が低減していた。しかし、警戒声が変化したときの恐怖反応は維持されていた。オウチョウは特定の種から繰り返し食料を盗もうとしているときに、警戒声のタイプを変化させることによってこの他種の恐怖反応を悪用していた。以上、オウチョウは警戒声を柔軟に変化させることによって欺瞞の報酬を制限する頻度に依存した制約を回避可能であることが示された。

【Togetterによる簡単な研究紹介はこちら

オウチョウ From Wildlife den