2014/08/05

【研究紹介5】嘘をつくときに視線をそらすといった知識が、子供が実際に嘘をつくときの視線行動に与える影響(Journal of Experimental Child Psychology, 2009)

Abstract(ざっくり和訳)
他者と目を合わせる行動はコミュニケーションの中で非常に重要な役割を果たしている。嘘をついているとき、嘘をつく人は目をそらしたり、下を見たりすると一般的に考えられている。本研究では嘘をつくときの子どもの視線行動がこの考えと一致しているかについて検討を行った。7から15歳の子どもおよび成人は、実験者の質問に真実を回答するか、嘘を回答するか、ちょっと考える必要がある質問に回答した。7から9歳の児童は、他の条件と比較して嘘をつくときに目をそらしていた。また、嘘をつくときの目をそらす行動は特徴的な行動であった。その一方、11歳以上の子どもや成人は条件間で視線行動に違いが見られなかった。年齢が高くなるほど、嘘をつくときに目をそらすといった知識を持つ割合が高まっていた。この知識は嘘をつくときの実際の視線行動を有意に予測していた。本研究の結果から、年齢が増加するにつれて、参加者は嘘をついていることを隠蔽するためにディスプレイ・ルールに関する知識の活用をしだいに洗練させていくことが示唆された。

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●文献情報
McCarthy, A., & Lee, K. (2009). Children's knowledge of deceptive gaze cues and its relation to their actual lying behavior. Journal of Experimental Child Psychology, 103(2), pp.117-134.